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となりのアイツ AN

第32章 夏休み5 かずくん

5-1

俺の言葉足らずのせいで まーくんのこと不安にさせてしまう時がある。
だけど まーくんは 不安な時も無理して笑う。俺のために・・・



一番最初に まーくんのキスを拒んでしまった時のこと、きっと まーくんの心の奥の方では まだ傷が癒えてない・・・

何度か そんな雰囲気になっても まーくんの目はいつも不安そうに見えて、俺はその度
あぁ、ほんとにひどいことしちゃったんだな、と思って 泣きたくなった。

これからは 出来る限り素直になって まーくんのこと本気で好きだと、言葉でも態度でも示していこう

・・・そんなふうに思ってはいるんだけど・・・・・・




俺だって 経験値なんてZEROに近いんだから キスのことなんて聞かれたって わかるわけない。

唇かぁ・・・俺は・・・開けてるんだろうか?

まーくんがいつも閉じてるのは一応気づいてたけど特に何も思わなかった・・・
二人共初心者なんだからこんなもんだろ、って感じ・・・

逆にガンガン舌とか入れてこられたらちょっと引くかも・・・



「まーくん・・・そういうのはおいおい・・・///」
「放っておいても自然にできるものなの?」

「・・・知らねーけど・・・」
「・・・練習しようかな・・・」

「え?」
「やっぱさ、意識を持って練習しないと・・・バスケの練習と同じだよ。ただなんとなく、じゃなくて、直したいとこに意識を集中してやらないと だめだと思う。俺、今日からちゃんと自主練するからね」

「・・・・・・」
「かずくんもしといてね」

「え?」
「ほら、鏡とかぬいぐるみとか相手に」

「ぬいぐるみなんか持ってねーよ」
「お姉ちゃん、持ってるんじゃないの?」

「借りれるか、そんなもん!どんな目で見られるんだよ」
「キスの練習とは思わないんじゃない?」

「そうじゃなくても十分オカシイだろ・・・この年になってぬいぐるみ貸してくれって・・・」
「そーかな」

あぁ、何なんだ、この会話・・・

絶対オカシイ。
世の中の恋人たちは こんな会話しないに決まってる・・・


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