テキストサイズ

となりのアイツ AN

第33章 誤解1 まーくん

1-4

「暑いけど天気いいし、気持ちいいよな~」
「・・・うん、そうだね・・・」



・・・結局乗せてもらってしまった・・・

いいって言ったのに・・・
玄関先でのもことのやりとりを聞いた母ちゃんが
「病み上がりだしちょうど助かるじゃないの」なんて言うもんだから・・・

でも「病み上がりならあちこち寄るのはやめた方がいいな。送るだけにして俺すぐ帰るよ」なんて言ってくれたもこ。
おまけに車の時の方がいいだろう、と途中スーパーにも寄って食材買いだめするのも付き合ってくれる。
ほんとに厚意でしてくれてるのに “かずくんの手前”なんて自分の都合ばかりで考えた俺が嫌になる。


「ありがとう、・・・ねぇ、上がっていってよ。旨いコーヒー淹れるから・・・」
「雅紀疲れてるだろ、いいよ」
「そんな・・・大丈夫だよ、それぐらい・・・せっかく送ってくれたのに・・・」


もことの会話は弾んだけど、ホントは 頭の中はかずくんのことでいっぱい
今どうしてるんだろう、何を考えてるんだろう、と 気になって仕方なく すぐにでも様子を見に行きたかったんだけど、さっきちらっと見たところ 自転車置き場にかずくんのチャリンコが見当たらなかった 

出かけてるのなら仕方ない、もこが帰ってから部屋を訪ねよう



「お邪魔します・・・へぇ・・・これが雅紀の部屋かぁ・・・」
「あ、散らかっててごめん、長いこと閉め切ってたし・・・すぐコーヒー入れるからちょっと待ってて」


とりあえず、こんなに親切にしてくれたもこを このまま帰すのは申し訳ない
かずくんが居ないのなら ちょっとだけ・・・ちょっとだけお茶して話すぐらいいいよね

だって もこは友達で・・・別に悪いことしてるわけじゃないもん・・・


その気持ちに嘘は無い。
それでも何だか後ろめたい気がしてしまうのは 何故だろう

ストーリーメニュー

TOPTOPへ