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となりのアイツ AN

第33章 誤解1 まーくん

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次の日

今日もまだ 微熱が続き身体がだるい。
だけどそんなこと言ったら 絶対引き止められちゃうから 
朝からラジオ体操なんかして 目一杯元気なフリをする。


「あ~、すっきりした。やっぱ健康っていいな~」
「もういいの?何だか顔色悪くない?」

「もう全然大丈夫、じゃ、朝ごはん食べたら帰るから・・・」


電車で帰るっていうのに母ちゃんはあれこれ持たせたがる。

「ちょ、無理だって・・・こんな重くてかさばる物ばっか・・・」

俺、ほんとに倒れるかも・・・


そこへ電話の着信音

もしかしてかずくん?
ドキドキしながら確認すると、・・・もこからだ。



「もしもし」
「雅紀?おはよう。この前急に電話通じなくなったから どうしたのかと思って・・・」


・・・そうだった。
もことの話の途中でかずくん追っかけた俺は 携帯放り投げてそのまま・・・
次の日、気がついたときには すっかり電池切れになってたんだ・・・


「あ、ごめん・・・ちょっと電波おかしくなって その後電池切れになっちゃったみたい・・・」
「それならいいけど、雅紀今日暇?会えないかな?」

「え・・・あ、あの俺これから横浜帰るんだ・・・ごめん・・・」
「これから?・・・それってかずも一緒?」

「ううん・・・かずくんは用事あるからって、もう先に戻ってる・・・」
「じゃあ雅紀一人?・・・俺 送って行ってやるよ」

「え?送る・・・ってあの、横浜まで?いいよ、悪いから」
「いいからいいから。どうせ暇だしドライブがてら、なっ」

「いや、ほんとにいいって。俺 電車で帰るから大丈夫」
「遠慮すんなよ、じゃあ支度できたらすぐ行くから。待ってろよ?じゃあな」

「あっ、もこ?おい、・・・ちょっ・・・」


・・・体調イマイチだから、送ってくれるのはありがたいけど・・・、もしもこんなことかずくんに知られたら誤解の上塗りになりそうだ。
どうしよう・・・

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