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となりのアイツ AN

第34章 誤解2 かずくん

2-1

まーくんから逃げるように、いや、本当に逃げて来てしまった。
こんなことしても どうにもならないのに・・・


本当は あんな言葉に深い意味はないんだ、ってこともわかってるのに。

もしも俺が誰かに聞かれても まーくんのことは「幼馴染」だって言うに決まってる。

そうとしか言えないのに・・・
それでもやっぱりショックで
それでもやっぱり悲しかった。


今も、俺のいないところで俺のことを「ただの幼馴染」だと笑う まーくんの声が胸に突き刺さる。



こっちに帰ってきた次の日、マスターにメールを入れておいた

《今日戻りました、もし必要ならシフト入れますので連絡お願いします》

ホントは9月中旬までは帰省してて出られない旨了解してもらってたけど 早く帰ってきちゃったから暇を持て余しそうだ。

と、すぐに返信があり、

《おかえり、早速だけど夏菜子が風邪ひいちゃって休んでるので 明日入って貰えたら助かるんだけど》
《大丈夫です、朝からですか?》

《頼めるかな》
《了解です》

《ありがとう、よろしく》



一人で部屋にいたってやることないし、まーくんがいつこっちに帰ってくるのか、そればかり気にしてしまいそうだ。
こんなふうに逃げ帰ってきたくせに、昨日も物音がするたびにまーくんも帰ってきたんじゃないか、と気になり、今にも玄関のインターホンが鳴るんじゃないか、それより先にLINEがPop upされるんじゃないかとどきどきしてしまう。


でも何も起こらない・・・
何も音沙汰がない、ってことは、まーくんは俺に何も言うべき言葉がない、ってこと・・・?

それは俺が聞いたあの言葉がすべてだということ・・・・・・?



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