となりのアイツ AN
第3章 となりのアイツ3 かずくん
まーくんも俺のこと好きだなんていうふうには
これっぽっちも思っちゃいないけど それでも
「女子とつきあうよりかずくんといる方が気楽だし」
なんて 思ってくれてるつもりでいたのかな…。
そんな俺の心知らずのまーくんは
数人の女の子とつきあい、
時々相談めいたことを口にしながら
ある日ぱったりと「もういいや」なんて言う。
俺の心は乱れまくりだ。
手は繋いだのか、とかキスしたのか、なんて到底聞けなかった。
聞いたら俺の気持ちがバレそうで怖かったから。
軽いノリで聞けばよかったのに、
あの黒目がちのくりっとした瞳に見つめられたら
俺の想い全部見透かされちゃいそうで…。