となりのアイツ AN
第3章 となりのアイツ3 かずくん
そう願いながら 少しずつ少しずつ顔を近づけ、
俺の唇がまーくんの柔らかい唇に触れる寸前
「う~ん」
伸びをしながら まーくんが大きく寝返りを打った。
横向きになって 壁の方を向いてしまう。
「!!!」
飛び退いた俺の心臓のバクバクは最高潮。
口を押さえてないと 飛び出してくるんじゃないかと思われるほど暴れ狂っている。
泣きたくなった。
自分の行動が怖くなったのと、
二度とないチャンスを逃したという想いが半々で。
マジに目に涙を浮かべながら
俺はまた窓から自分の部屋に戻り。
そしてこの日から、
俺がまーくんの部屋に行くことは
もう二度となくなった。