テキストサイズ

となりのアイツ AN

第49章 願い4 かずくん


4-4

「カズ・・・」

もこみちにそっと抱きしめられた時、抵抗しようと思えば出来たのに
俺はされるがままになっていた。


「カズ・・・ごめん・・・今だけ、こうしていて・・・」


俺を抱きしめる腕の力はごく弱く、俺の名を呼ぶその声もか細く震えていた

それがあんまり弱々しくて・・・同情と共感がごちゃごちゃになった俺は
自分だけ幸せになってることの後ろめたさみたいなものもあって・・・
下に下げたままだった両腕を少しだけ上げて もこみちの背中に掌を当てた。


その時、俺の肩に置かれていたもこみちの顎が持ち上がり、俺の頬を撫でるように唇が動き、気がついたら目の前にもこみちの顔。



え?
これって・・・


ストーリーメニュー

TOPTOPへ