となりのアイツ AN
第5章 となりのアイツ5 かずくん
「か、か、かずくん!かずくん!!かずくん!!!」
どこからか走ってきたまーくんが
強引に俺と山田の間に割り込んで
「あの、かずくんのお母さんが探してたよ!急用だって!急ぎの用事だって!!すごーく急いでるんだって!!!」
「あ、あぁ、わかった…、すぐ行く…」
「行こっ!」
差し出された手を思わず握って、
俺たちは 手を繋いだまま道路をダッシュする。
50mぐらいそのまま走って、
角を曲がって大通りに出たとこで ハァハァと息をついた。
「…で?お袋は?」
「…え? あぁ、あれね、嘘。・・・なんかかずくん困ってるみたいだったから…」
「あー…そっか…。変なとこ見られちゃったな…うん…ありがと…」
「…ねぇ、もしかしてさっきの…かずくんの恋人?別れ話もつれてるとか?」
「はぁ?ちげーよ。気持ち悪いこと言うなよ」
「あ、ごめん、それならいいんだけど…」
「あ…こっちこそごめん…助けてもらったのに…」