となりのアイツ AN
第5章 となりのアイツ5 かずくん
あぁ、久しぶりにまーくんと言葉を交わせて、
しかも手まで握っちゃったのに
空気が重い。
もうすぐ会えなくなるっていうのに…
このままじゃ嫌なのに…。
「そういえば、お前どこ受けたの?全然聞いてないままだったけど…」
「え、あの…いや、きっとダメだから…。もし受かってたら言うよ…。かずくんは?」
「俺は…国大…」
「あ、そうなんだ…感触よかった?」
「う…ん…1次も良かったし多分…」
「じゃあ…横浜行っちゃうんだね…」
「ん…」
「行っちゃったら、当分会えないね…」
「ん…」
ダメだ、もう泣きそうになってきた。
「ごめん。俺先に帰る…」
俺は まーくんの顔をちゃんと見ることも出来ずに
一人走り出してしまった。