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3-1

あ、かずくん寝ちゃった？

急いだつもりだったけど俺、風呂長かった？
疲れてるのかな、風邪ひかないかな、…etc…

瞬時にいろんなこと考えちゃったけど…
その後、脳内に浮かんだ言葉は


「今、キスのチャンスかも…」


1週間前のあの夜の出来事が　瞬時に脳内再生された。




そう言えば　今気づいたけど、俺たち　こんな夜更けに二人きり…。
そして　ここは誰の邪魔も入らない愛の巣だ！


デキる。
デキるよね？
やろうと思えば　なんだって出来るじゃん！



あ…だけど、マズイよ…

俺ってば何の用意もしてないもん、

だけどしょうがないよね、
今までの部屋に　いろんなもの置いとくのは危険すぎたし

こっちに来てから準備するにしたって、今日の今日は無理ってもんだ。


あぁ、でもさっきかずくんがバイトに行ってる間に　
コンビニ行ったのに、

俺のバカバカ！

どうしよう、今からもう１回行ってこようか？


…無理だよなー、不自然すぎる。

それに絶対俺挙動不審者になって　コンビニで通報されそうだ。


…もう、今日は諦めておとなしくしていよう。
そんで明日にでも色々買い物しよう…。




そんな風に自分の中で折り合いをつけ、
お笑い番組にチャンネルを合わせて　
そっちに集中しているフリをする。


なるべくかずくんの方を見ないようにして
笑いながらビールを飲み、スナック菓子をバリバリ食べてたら。


その番組が終わった時、かずくんが
「じゃあ、俺そろそろ帰るわ」と言って立ち上がった。

「え？もう？まだいいじゃん」

「ううん、お前疲れてるだろうし、俺も眠くなってきたから…。明日は？予定あるの？」
「あ、えっとね、明日は色々買い物したいんだけど」

「俺、付き合おうか？」
「え、いいの？」


嬉しいな…あ、だけどマズイ買い物もあるんだけど、どうしよう？


でもやっぱり、かずくんと一緒にいられること以上に
優先することなんてないもん。

「よろしくお願いします」

きっちり最敬礼してお願いした