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となりのアイツ AN

第9章 新生活3 まーくん

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「重い…どう考えても買い過ぎだよ…」
「お前が“もっと食べられる”って言うからだろー」

「だって、カートに入れてる時はこんなに重くなるなんてわからなかったんだもん」


二人共 両手にエコバッグを下げて 
ヨロヨロしながら歩く帰り道。


「ちょっと待って、そこのホームセンターでチャリ買うから」
「あ、いいね。俺も買おうかな」


結局 二人で自転車を買い、
ハンドルに袋をかけながら押して帰ることに。


「手は痛くないけど重心取りにくい…」
「買い物の時はデイパックがいるね。あ、ちょっと待って。ドラッグストア寄りたい!」

「じゃあ俺外で荷物見てるから」
「あ、ありがと。すぐ買ってくるね」


ドラッグストアの中に入った俺は目当てのモノを素早く探す。

あ、あった。けど…ここ、入口から丸見えの棚じゃん。
かずくんがこっちを見てたら 俺が何買ったのかわかっちゃいそうだ。

おまけにいっぱい種類があって
どれを買えばいいのかよくわからない。

薄さとかサイズとか、あと色々…なんだろ、
何か効果があるのかな?

普通のでいいんだけどな…
適当に2~3種類選んでカゴに入れる。

それから何か・・・潤滑剤みたいなのもいるはずだ。
こういうとこでも 普通に売ってるモノもあるって 昨日見たネットに書いてあった。

それも近くの棚で見つけたんだけど、またもいっぱいある種類に悩まされる。

匂いとか使い心地?
効能みたいなのもあるの?
何ソレ?

これもどれを買えばいいのかよくわからなくて適当に棚から取ってレジに並ぶ。

あ、でもこれだけじゃこれを買ったんだって見せられるものがないじゃん。
と、また引き返して鼻炎の薬と体温計、絆創膏、胃腸薬なんかを追加すると、レジの合計は10000円近くになってしまった。

・・・マジ?

一人暮らしってやっぱお金かかる…ちょっとショックで肩を落として店を出る俺。


「おっせーなー。何買ったんだよ」

うわ、やっぱり聞かれた

「ごめん、あの、ほら、俺 花粉症だから鼻炎の薬とか、あと体温計とか、色々ね」


さりげなく袋を背中に隠すようにしたけどここのビニール袋ほぼ透明で、非常にヤバイ。

袋の口を縛り、自転車の前かごに放り込んだ俺は先を急ぐようにぐんぐん歩き始めた。

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