となりのアイツ AN
第10章 新生活4 かずくん
4-1
まーくんが挙動不審なのはすぐわかる。
ヘラヘラするし、目が泳ぐから。
今もまさにその状態で…明らかに俺から隠そうとした袋の中身。
だけど俺は見てしまった。
薬や体温計だけじゃなくて「極薄」とか「潤いゼリー付き」とかの文字の入ったパッケージ…。
これって…アレだよな?
頭を殴られたようにガーンとショックを受けた。
まーくんが…
まーくんが…
一気に目の前が真っ暗になって泣きたいような気持ちになる。
好きな子がいる…それは当たり前のことなのに。
そうだ、これが当たり前なのに…。
俺は幼馴染としてそれを祝福してあげないといけないのに…。
自転車を押しながら 早足で歩いていくまーくんから どんどん遅れていく俺。
そんな俺の様子に気づいたまーくんが 心配そうに顔を覗き込んでくる。
「…どうかした?気分悪いの?」
その顔があの日のガラス越しの顔と重なって…やがてじわっと視界が滲む。
せめて涙を見られたくない…
俺は首を振りながらさらに下を向く。
「かずくん?どうしたの?」
「…んでもない…っ」
ちょうどマンションについたのを幸いと、まーくんから顔を背けながら 自転車置き場に自転車を置き、荷物をもって部屋に入ろうとすると 後からまーくんもついてくる。
「なんでついてくんだよ」
「え?だって食材とかごちゃごちゃに入ってるし、今日はかずくんちで食べるんでしょ?」
「……」
一人になりたかったのに…
せめて この揺れ乱れる感情を
飲み込んでしまうまで…。
まーくんが挙動不審なのはすぐわかる。
ヘラヘラするし、目が泳ぐから。
今もまさにその状態で…明らかに俺から隠そうとした袋の中身。
だけど俺は見てしまった。
薬や体温計だけじゃなくて「極薄」とか「潤いゼリー付き」とかの文字の入ったパッケージ…。
これって…アレだよな?
頭を殴られたようにガーンとショックを受けた。
まーくんが…
まーくんが…
一気に目の前が真っ暗になって泣きたいような気持ちになる。
好きな子がいる…それは当たり前のことなのに。
そうだ、これが当たり前なのに…。
俺は幼馴染としてそれを祝福してあげないといけないのに…。
自転車を押しながら 早足で歩いていくまーくんから どんどん遅れていく俺。
そんな俺の様子に気づいたまーくんが 心配そうに顔を覗き込んでくる。
「…どうかした?気分悪いの?」
その顔があの日のガラス越しの顔と重なって…やがてじわっと視界が滲む。
せめて涙を見られたくない…
俺は首を振りながらさらに下を向く。
「かずくん?どうしたの?」
「…んでもない…っ」
ちょうどマンションについたのを幸いと、まーくんから顔を背けながら 自転車置き場に自転車を置き、荷物をもって部屋に入ろうとすると 後からまーくんもついてくる。
「なんでついてくんだよ」
「え?だって食材とかごちゃごちゃに入ってるし、今日はかずくんちで食べるんでしょ?」
「……」
一人になりたかったのに…
せめて この揺れ乱れる感情を
飲み込んでしまうまで…。