となりのアイツ AN
第11章 秘密1 まーくん
「まーくん…」
「何?」
「さっき、ごめん…」
「ううん」
「あのさ…」
「うん」
「まーくん…好きな人…いるの?」
「え…」
思わず、ガバっ、と起き上がった。
…かずくん、それどーゆー意味?
俺の好きな人はかずくんだよ。
それ、伝わってないの?
そりゃあ、「好き」って言葉は 口に出してないけど、
かずくんがガラス越しにキスしてくれて
俺もそれに応えて、かなり無理して頑張って同じ大学入って、こうして同じマンションまで追っかけて来てるんだもん。
…伝わってるよね?俺の気持ち…。
あれ?それともなんか俺間違ってる?
まさかあのキス、そーゆー意味じゃなかったとか?
あれ?
あれってそもそもキスだったのかなー?
急に眠くなって目を閉じただけとか、めまいがして目を閉じただけとか、そんなオチじゃない、よね?
…なんかだんだん不安になってきちゃったよ…。
「好きな人、・・・いる…けど…」
「…あ…そう…」
「かずくんは?…好きな人…」
「……いる…」
いる、って言ってくれたけど、果たしてそれが俺のことなのかどうか。
この返事、喜んでいいのか悲しむべきなのか、どっち?
神様、教えて!