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となりのアイツ AN

第12章 秘密2 かずくん

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部屋の中がシーンとしてる。

TVでもつけようか、いや、わざとらしくて余計沈黙が重くなるかな…。

でも何か話さないと…
やっぱりここは思い切って聞くべきか。


俺は起き上がってまーくんを見つめる。

ゴクリ、と唾を飲み込み、カラカラの唇を軽く噛んで 声が震えないように腹に力を込め、

「あのさ…」
「うん?」
 

RRRRRRRRRR♪

「!!」



ここで大音量のメロディーが流れ、俺は心臓バクバクでテーブルに突っ伏し、まーくんはごく普通にポケットから携帯を出す。


「母ちゃんだ…、何だろ。
・・・もしもし?・・・うん、あー、ごめんごめん。
心配するようなことなんて何もないよ、うん、今もかずくんち・・・うん、ちゃんとやるから・・・
え?わかってるって・・・何?どこ?カバンの?内ポケット?・・ちょっと待って・・・」


はは…連絡がない、って怒られてるのかな?


それにしても でっかい音…相葉家では これが普通なのか?

そう言えば俺も最初の夜メールしただけで後は何にも、だった。

怒られる前に一応《元気です》ってメールしとくか…。



俺が携帯を取り出し、操作し始める間に まーくんは俺にごめん、ってジェスチャーしながら外に出ていった。
部屋に戻って何かするみたいだ。


しかし、またタイミングを逸してしまった。
神様が意地悪してるとしか思えない。

それとも何も聞くな、ってことなのか?


ここ1ヶ月くらいで俺の心臓はもう何年分もの鼓動を打ってしまったような気がする。

お願いだからちょっと休ませて…。


平穏な生活はこの先一体いつ来るんだろう…?

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