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となりのアイツ AN

第13章 秘密3 まーくん

3-1

母ちゃんからあれこれと言われてすっかり時間が経ってしまった。

そう言えばさっきかずくん、何か言いかけてなかったっけ・・・?
あれ?俺の勘違いかな?


さっきの会話を思い出してみる・・・

えっと・・・好きな人がいるとかいう話題で、なんだか空気が重くなったんだ。

どうも部屋にいると身構えるというか会話が途絶えがちになる気がする。


そうだ、外へ出て話せばもっと会話も弾むかも。

そう言えばさっき通った道の途中に結構広めの公園があったっけ・・・。

あそこでキャッチボールとかしたらいいかも。
早速誘ってみよう。

我ながらナイスアイディア♪



「かずくん、あのさ」

ドアを開けながら声をかけると かずくんがソファーに凭れてうとうとしてる。


あれ、どうしよう・・・

でもこんなとこでうたた寝したら風邪ひいちゃうよ?

起こそうかな
だけど疲れてるのかも、寝かしといたほうがいいのかな・・・
ベッドに抱き上げてもいいけどきっと起きちゃうよな・・・
布団をかけてあげようかな・・・

あれこれ迷った末に とりあえず布団を掛けて様子を見ることにした。

肩まで覆うように布団を掛けながら、至近距離でかずくんの顔を見る。


わー、相変わらず色が白くて肌すべすべ・・・

上唇はすごく薄くて下唇はプルンとしてる。
口角がちょっと上がって微笑んでるような幸せそうな顔して・・・


思えばこんなふうにまじまじとかずくんの顔を見るのはすごく久しぶりな気がする・・・

いつ以来だろう?



・・・思い出した。高1の春、GWの頃だ・・・

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