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となりのアイツ AN

第13章 秘密3 まーくん

3-5

笑った顔がそのまま固まる。

ある、
けど・・・・・・
はっきり言って、どれ?どのこと?…ってぐらいある・・・

かずくんのこと好きだよ、っていうことも 言葉にはしてない。
これも俺の秘密になるの?
それともそれはもう置いといていいの?


じゃあ、さっきの買い物・・・?
俺が隠そうとしたこと気づいてる?

多分かずくんそれは気にしてるよね・・・?
だ、だけど・・・それは言えないよ・・・。

まさか3年前のキスのこと?
それは気づいてないよね???



・・・俺ってバカみたい。

かずくんが 言いたいこと言いやすくなるように、ってことしか考えてなかった。
キャッチボールなら リトルリーグでやめちゃった俺より その後ずっと野球続けてたかずくんの方が上手いに決まってるのに・・・

とりあえず、今の捕れなかった分、何か言わなきゃ・・・

それなら
それなら

ここで告白しよう



「あ、あの・・・」
「・・・・・・」

「俺・・・」
「・・・・・・」

「実は、好きな人がいて・・・」
「・・・うん・・・」

「・・・・・・」
「それだけ?それはもうさっき聞いたけど・・・」

「・・・そうだっけ・・・じゃあ、あの・・・」
「・・・もういいよ・・・」

「あ、待って」
「やっぱいい。聞きたくない」

「あ・・・・・・」

待って待って待って・・・

またかずくんが 黙り込んで自分の周りにシールド貼るのが 目に見えるようだよ・・・




「かずくん!ほら!」

下を向いちゃったかずくんに 声をかけて ボールを思いっきり真上に向かって投げる。

慌てたかずくんが 眩しさに顔を顰めながらも 必死にボールの落下地点へ。


「通天閣打法だ!」
「打法じゃねーし!」


落下地点を見定めたのか かずくんの足が止まり、グローブを上向きに構える。

この時を見計らって俺は静かに告げた。



「かずくんが好きだよ」

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