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となりのアイツ AN

第15章 一歩2 まーくん

2-2

・・・なかったことにしよう・・・

冗談にして笑ってしまおう・・・
かずくんのあんな顔見たくない・・・

よくわからないけど、・・・
言っちゃいけないことだったんだ・・・


俺が 言葉を発した途端、止まっていた時間が また動き出した。



かずくんが目線を落として 皮肉っぽく笑う。

「・・・ばっかじゃねーの・・・」

足元の地面を蹴りながら

「人をドン引きさせるようなこと言って 動揺誘うなんてずるいんだよ・・・」

「ドン引き・・・」


あぁ、さっきの泣きそうに見えた顔はドン引きしてる顔だったのか・・・


俺、危うく間違えるとこだったね・・・

今の、ぎりぎり間に合った?

ジョーダンだって思ってくれた?




かずくんは ボールを探しに行ったまま、なかなか戻ってこなかったけど、
その時間は 俺が頑張って気持ちを立て直すのにも 必要な時間だったから・・・

戻って来た時、かずくんが元気なく見えたことや 目が赤かったことも

「さっきうたた寝した時 風邪引いたみたいで 身体だるくなってきた・・・。なんだか砂が目に入って痛いし、今日はもう帰ろうぜ」

という言葉を そのまま鵜呑みにして・・・

それ以上の 何かに気づくほどの余裕は まだ持てなかった。

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