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となりのアイツ AN

第15章 一歩2 まーくん

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「悪いけど・・・だるいから、俺もう寝るわ・・・」

そう言って 部屋に入っていくかずくん。

ホントに辛そうだ。
なんか俺にできること・・・

熱があるのかな?
かずくん、体温計持ってる?

風邪薬はあるかな?
冷えピタとか持ってる?


さっき買ったものが早速役に立つなんて、ラッキーだ。
俺は 必要なものを一式抱えて かずくんちのインターホンを鳴らす。



「・・・はい・・・」
「俺・・・」

「・・・何・・・」
「あのさ、体温計とかある?熱計ってみるといいよ。俺、薬も持ってるし」

「・・・いいよ・・・」
「よくないよ、風邪はひき始めが肝心だからね、ね、ちょっと開けて」

「・・・いいってば・・・」
「だめだって、面倒がってこじらせたら大変だよ?」

「・・・じゃあ、体温計だけ貸して」
「あれ、俺中に入れてくれないの?ひどいなー」

「・・・いいから・・・」
「色々袋に入れてきたからこんなドアチェーンかけてある隙間からじゃ入らないよ。開けてよ」
「・・・・・・」


一旦閉められたドアがまた開けられる。

そこを見計らって 外からぐっ!とドアノブを引っ張り、玄関ドアを大きく開いた

「うわっ?」
「はい、お邪魔しますよー」

「お前なー!」


怒鳴ってるかずくんより先に 部屋の中に上がっちゃう。

俺は この「世話焼きの幼馴染」っていうポジションだけは 死守するんだ。

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