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第26章 キスの続き

華はいつも口を大きく開けて笑う。飾り気がないその姿も可愛かった。

「休みの日は今までは寝てるだけだったけど、楽しみが増えたよ。」

華は嬉しそうに手を握り返してきた。

「でも…無理しないでね?あたしは時間の融通がユウヤより効くから都合も合わせられるし。ユウヤが好きなところへ行こう♪」

華はいつもにこにこしている。泣いている華を俺はもう見たくない。

「華と一緒だったらどこでも良いや。」

それに今でも真啓のことを想っているのは判ってる。だから無理強いもさせたく無い。

「あたしもユウヤが行きたいところだったらどこでも良いよ。」

華はにこにこしているけれど、時々ふっと悲しそうな顔をする。

…真啓はあんなに華のことが好きだと言ってたのに、どうしてこんな酷い仕打ちが出来るんだ?

物思いに耽る華のそんな顔を見るたびに、怒りが込み上げて来た。巨大水槽の前で俺たちは静かに佇んでいた。

「きっと魚達は、ここが海じゃ無い事なんて気が付かないで泳いでいるんだろうね。」

ポツリと呟いた小さな華を俺は後ろからそっと抱きしめて俺は囁いた。

「気が付かない方が幸せなこともあるんじゃないかな。」



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