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彼女と妹

第18章 彼女(その5)


彼女は人気の少ない場所まで俺を連れ出すと、少し言いにくそうに視線を逸らせながら口を開いた。


「あ、あのね…ちょっと言いにくいんだけど…」


「何?」


「あの…」


「何だよ、早く言えよ、帰るぞ」


「あ、綾子のことなんだけど…」


「綾子?」


綾子のことと聞いて、帰りかけた足が止まった。

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