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さよなら人生。

第4章 過ち


わたしは学校に行ったり行かなかったりを
繰り返してた。

生活は苦しいクセに
姉妹で私立に通っていたから
両親も少しずつピリピリしはじめていた。

まだリストカットはバレてない。

わたしは、この頃学校より
好きな人のいる塾のほうが好きで
学校には行かないのに塾に行っていた。

血がにじむガーゼを見て
先生が悲しい顔をしたのを
今も覚えてる。

「つらいことがあるの?」

と言いながら頭を撫でてくれた。

子供ながらにそれが嬉しくて
でも意地を張ったりして

「ちょっとだけね」

なんて言って誤魔化した。
けど、確実にここから歯止めが
きかなくなっていた。

傷が増えれば先生はもっと
気にかけてくれる。

それだけで頭の中がいっぱいになった。

いつもより手に力が入った。
今までなんかとは比べ物にならない傷を
つくっていた。

あ〜〜あ。って思った気がする。

やりすぎちゃった なんて。

次、先生に会った時先生は
悲しい顔を通り越して、
目を合わせてくれなかった。

悲しくなった。
意味のない傷を一つ作ってしまった。

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