POISON TEACHER
第10章 親なんかしょせん他人同然な存在なんだよ!!
『僕には、お父さんはいません!!
お父さんは、僕がお腹の中にいた頃から
お母さんを捨てました!!』
この発言に、保護者はザワザワし始めた。
それでも拓真は怯まずによ見続ける。
『お母さんは、僕を1人で産み育てる決心を決めてくれました。
…高校を辞めさせられ、両親から勘当され、どんなに辛くても
僕を決して捨てませんでした!!
お母さんは、ホステスとして
生きる道を選びました。
それは、とても辛く苦しい仕事でした。
朝も夜も一睡もせず、僕を笑顔で面倒見てくれました。
大きくなった僕はお母さんによく聞かされました。
『小さい頃の僕の笑顔は、
辛くても、疲れをどっと忘れさせてくれる。
お母さんの最大の喜びだ!!』と、
言ってくれました。』
この辺りから拓真は涙声になり、
声を震えながら読んだ。
『……、しょ、小学校、中学校の時は
仕事の疲れで運動会や参観日に来れませんでした。
辛かったけど、お母さんを孝行したいと思い、ずっと我慢してました。
今回、この授業のために来てくれた
お母さんに言いたいことがあります。』
拓真は大きく息を吸い込み
涙の大粒が原稿用紙にあたり濡れた。
『お袋……!!!!!!!!!!!』
拓真のお母さんに向いて、
『こんな不器用な……、
クズな俺を……、
育ててくれて……
あっ、………ありがどうっ!!!!』
拓真のお母さんは、涙を大きくこぼし
膝をつき、倒れた。
『うっ、……ううっ、!!』
少しずつ拍手がなりはじめた。