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溝坂は簡潔に挨拶をしHR（ホームルーム）は、何事もなく終わったかのように思えた。



ところが………、


『だれた！こんなとこに分別せずジュース捨てたやつ！』


溝坂はキレ気味だった。


犯人はさっきの三人グループだった。


あゆみは、
『先生実は…、』
手をあげようとしたが三人グループに止められる。


１番背の高いポニーテールの女子生徒が國松タカシに圧力をかけ始めた。


國松タカシは
再びいじめらるのを恐れて、
怯えなかがら挙手した。



『すみません！先生僕がやりました。』

溝坂は鼻で笑い
『よく言ったな、
國松、後で職員室で話を聞こう』


その場で騒ぎは収まった。

三時限目 国語
溝坂はこの教科の担当だった。


内容は、｢陰で行われてるイジメ｣という教科書の音読だった。
『はい、次！』
『國松！』


國松は震える声で読み始めた。


『イジメは、どんな時代になっても、人と関わる限り、必ずなくならない。
イジメを完全になくすことは無理なのだ。』


タカシは、ショックを受けたかのような表情だった。


すると、溝坂は


『國松！まだ続きがあるんだぞ！』


『えっ？でもここで、行が終わってますよ。』


『いいから読め！
言いなりしかなれねえ癖に！』


と毒舌説教が始まった。



すると、タカシは、黙って教室を去っていった。


周囲はまた重たい空気に覆われた。


あゆみは、我慢の限界を越え、溝坂に向かって



『いい加減にしてくださいよ！
いくら先生だからって、言ってもいいことと、悪いことがありますよ！』


溝坂はあゆみの泣きじゃくる顔を見て
溝坂は微笑みながら


『沖田、よく言ったな!

お前の言う通りだ！
偉いぞ！』


あゆみの頭を撫でて誉めた。


『先生だって人間なんだ。

間違ったことをお前たちに教えることがあるさ。


その時、間違ってるなら間違ってるって堂々と言える生徒が俺は１番大好きだ！』


溝坂は教壇に戻っていった。



あゆみは教科書を抱えて、スッキリしたかのように笑顔になっていた。


あゆみは、
あれが溝坂の本当の姿だと確信し
信頼を持ち始めた。