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「ただいま」
「おかえりなさぁい」

李奈が玄関先で俺を出迎えた。

今夜の藤枝家は俺と李奈の二人きり。

「お母さんからこれ預かったの。一緒に
ゴハン食べに行こッ」

李奈は一万円札をヒラヒラとさせる。

「それはお母さんにそのまま返そう。
俺が李奈ちゃんに奢るよ」
「え？いいの？」
「いいって、いいって。お世話になってるん
だから。李奈ちゃん何食べたい？」
「う～ん……お風呂に入って考えてくる」