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楔 ---KUSABI---

第2章 弐・違う世界

ただ、こちらの世界に無事これたからといって、
この世界の理に順応出来なければ、やはり末路は同じ。
そこは懸念するところではあるのだけれど。

「・・・大丈夫、でしょう」

神の基準に叶い、選ばれたあの娘は、この場所に順応する筈。
そして・・・。

私のお礼の言葉に、明確な返事はなかったけれど、
色々思案している間に、腰に手を回され、
引き寄せられたのだから、良しとする。
そのまま、逞しい身体にしな垂れかかり、

「お酒を、私にも下さい、な」

甘えれば、主の口移しで・・・お酒を飲む。

「ンっ」

酒が甘い。
飲み干した後、そのまま舌を絡めて柔らかい感触を味わう。
主の舌も何もかも、熟して甘い。

・・・楽しくて仕方ない。
これからの事を考える、と。

やがて、酒の味は全くしなくなる。
唇が外れる頃には、体に纏っている布地の下に、
主の手が滑り込みつつ、押し倒されていた。

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