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ヒミツの関係 SA

第1章 1 雅紀


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火曜日の夜、収録が終わると 
翔ちゃんはいつも一目散に帰り支度をして 
サッと消えてしまう。

それはレギュラー3本撮りの時間が押して 
とっくに深夜を回った日も例外ではなく

その日の俺は 楽屋から足早に出て行く翔ちゃんを
追っかけて 一緒にエレベーターに乗り込んだ


「翔ちゃん、この後暇?久々にちょっと飲まない?」
「お前、明日、てか もう今日か・・・ “マナブ”のロケだろ?」

「今日は珍しく集合ゆっくりだから大丈夫。ね?ちょっとだけ行こうよ」
「・・悪い、俺ちょっと用事あるから・・・」



「・・・今日も行くの?」
「・・・え?」

「いつものとこでしょ・・・こんな時間でも行くの?・・・そんなに・・・イイの・・・?」
「・・・知ってたのか?」

「知ってる・・・ねぇ、そんなにイイの?」


「・・・あ、もしかして雅紀も行きたいの?だったら・・」
「違うよ!・・・そうじゃなくて・・・俺は・・・」


思いがけないことを言われて
ちょっとキツイ言い方で否定してしまった

翔ちゃんが少し傷ついたような表情になる


「・・・俺のこと・・・軽蔑してる?」
「そんなことないよ・・・ないけど・・・最近付き合い悪い気がして・・・ちょっと寂しいかな・・・」

「そっか・・・ごめん。今度は付き合うよ。・・・実はさ、この前新しい子試してみたら意外と良くてハマりそうで・・・」
「・・・そんな綺麗な子なの・・・?」

「え?あぁ・・・綺麗っていうか・・・これ他の奴らには内緒な。・・・その相手、オトコなんだ・・・」
「・・・え?え??ちょ、翔ちゃん」

「じゃあな、また。お疲れ」


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