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ヒミツの関係 SA

第7章 7 雅紀

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その日の取材はずいぶん巻いて、予定より1時間近く早く終わることが出来た

「さすが俺達。息ぴったりだもんな」
「うん、松潤と一緒だといつも終わるの早いよね」

それはほんとだ

松潤は用意された衣装をモデルみたいにカッコよく着こなすし
仕事に対してもいつも真剣にいいものにしようと熱意を見せるから カメラマンさんもスタッフも機嫌よく仕事が捗る


俺のこの日の仕事はこれで終わりだったから、松潤の空き時間の暇つぶしに付き合い、近くのカフェでお茶することにした

カフェって言っても表から見たら何のお店かわかんないようなところで 知ってる人しか入ってこない、所謂芸能人御用達の店


そこの隅っこで 松潤は俺にこの店自慢だというサンドイッチを勧めてくる

「最近 痩せてきたからな、どうせロクに食ってないんだろ?
さっきも用意されてた軽食に 全然手つけなかったし。
もっと栄養取らないとまた倒れるぞ」

「あ、うん・・・なんか最近食欲なくて・・・」
「ダメダメ、ここのは旨いから一口でも食べてみなよ」

バゲットにスモークサーモンや、ロブスターの爪が挟まれてるオシャンティなサンドイッチは確かに美味しそうだ

じっと見つめてくる松潤の手前もあって一口齧ってみた

「あ、旨い」

ピックに刺して添えられたピクルスやオリーブの酸味も食欲をそそる

「だろ?もっと食えよ、沢山食って元気出せ」
「あ・・・ありがと・・・」


俺を見つめる優しい瞳
松潤ってこんなに優しい顔してたっけ・・・



その後、いつものように他愛ない話をしてるうちに 俺はサンドイッチを完食し、松潤が打ち合わせに行く時間になる


「じゃあね、松潤。今日はありがと」
「こっちこそ付き合ってくれてありがとう。
・・・ほんとに元気出せよ、俺でよかったらまた飯付き合ってやるし。
そうだ、話があるなら今度ウチに来いよ。旨いもの食わせてやるから」

「あ・・・うん・・・またそのうちね」


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