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ヒミツの関係 SA

第8章 8 翔

8-2

事後報告だったらいらねえよ、と思いつつも 
とにかく急いだ俺を迎えたのは、
相変わらず目力ハンパない男前の 全力の仏頂面。


「いらっしゃい」
「お邪魔します・・・何、お前・・・なんか怖いんですけど・・・」

「何、って聞くの?翔さん、思い当たることあるんじゃないの?」
「・・・・・・お前には関係ないことだろ・・・」

「それ本気で言ってる?」
「・・・雅紀に何か言われたのか・・・?」

「・・・さぁね・・・」


「まさか、お前、もう・・・」
「“もう”何だよ?」



「・・・何でもない・・・俺には何も言う資格ないからな・・・俺は雅紀を苦しめるだけだった・・・お前が幸せにしてくれるなら それでいいんだ」
「ほんとにそれでいいの?自分であいつを幸せにしてやろうっていう気はない訳?」

「・・・しょうがないだろ・・・もともと雅紀にとっては俺じゃなくてもよかったんだから・・・偶々近くに俺がいただけで・・・。だから 俺が本気で好きだなんて言ったって どうしようもないんだ。
それでも・・・カラダだけの付き合いでも 俺は嬉しかったし幸せだったけど、結局雅紀に無理させてあんなことに・・・」
「だからあいつを捨てたの?」

「捨てたなんて言うなよ、・・・このまま続けたら雅紀がもっと無理するから・・・俺は、俺のために雅紀が辛そうにするの 見てられないから仕方なく・・・」
「それって・・・結局“自分が辛いから”ってこと?雅紀の為、なんて言いながら・・・」

「・・・・・・」




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