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「コウヤっ!!　くそっ!!」


　勇樹が走って、プーロンの右肩に向かって、飛び込んだ。


　渾身の力を込めたパンチを、タクノアンの横っ面に叩き込んだ。


　タクノアンの顔は苦痛な表情に変わったが、プーロンには虫がついたほどしか、感じていなかった。


「やめろ純化さん！　あなたは、人間の純化と共に暮らすべきだっ!!」とペタロが叫ぶ。


「く、さっきからゴチャゴチャうるさいのがいるな……」


　プーロンは耳をたて、声のする方を探る。



　闇の純化は、ペタロと共に、闇の世界で過ごす方を選んだ。人間の純化とは、今までひとつの体として、共に暮らしていたが、やはり人間と闇の者はまったく別の存在。敵でしか見れなかった。


　やがて、闇の純化は、柵の上から帝王プーロンの口の中に飛び込んでいった。


「ちくしょーっ!!　やっぱ、特殊能力には勝てねえのかよ……」


　コウヤの体は、大きな衝撃は受けたものの、ソーヤのパワーリーフの効果もあってか、大きなダメージとはならなかった。


「超人的な力をつけても、所詮は人間のもつ力ってことか……どうすりゃいいんだ」


　勇樹は唯一、プーロンの体に一撃は投じたものの、違いすぎるレベルの差に、この先の望みが見えなくなっていた。


　こんな状況でありながらも、ペタロはまだ全てを捨てていなかった。


「プーロン様、お願いです。もう、暴君はお辞め下さい。光の者とは違い、人間は弱い生き物です。共存することで、光と共に、良い方向へ導かれるはずです。我々、手を取り合えば、必ず素晴らしい世界となりえましょう」


　ペタロは心から、そう訴えた。