
修練の鏡と精霊の大地
第20章 ラスボス
「きさまか、さっきからピーピーうるさいのは……」
帝王プーロンはそう言うと、右手をゆっくりと左首筋に持っていった。
そして、人差し指と親指で、豆粒をつまむかのように、ペタロの顔を挟んだ。
ペタロの顔がグシャッとひしゃげる。
次の瞬間、ペタロの顔は、ニキビのように潰され、赤黒い汁が吹き出した。
だが、そのすぐ横に、純化の顔が浮かび上がった。
「ペタロ……どこ……」
だが、ペタロはもういない。
プーロンはかさぶたを剥がすように、潰れたペタロの顔を剥ぎ取ると、ポイッと遠くに投げ捨てた。
「ひ……酷い……」
純化はそれだけを言うと、床にひざをついて、うつぶせた。
「まったくだ、あれじゃ、吸収されたもう一人の純化が気の毒だ」とコウヤが言った。
恐怖と絶望と怒りが心を圧迫させる。
なにも出来ない自分達が、歯痒くてしょうがなかった。
「おおおおーーっ!! 見える、この世界がはっきり見える」
プーロンが天を仰ぎ、大きくそう叫んだ。
目が見えないうちになんとかしたかった。
だが、何一つできなかった。
共存を望む、幸せの心を1つ失っただけだ。
「どうする……下手すりゃ、俺達も終わりだ」
勇樹が悔しそうに言った。
コウヤはギッと、プーロンを見据える。
「なにも答えが出てこねぇ……力が備わっても、なにもできない……」
「私達が集まったのは、このまま死ぬのを待つため? なにか、少しでも出来ないの?」
莉子はソッと泣き崩れる純化の肩に手を添え、仲間一人一人に目を向けた。
輝はただ、呆然と立ち尽くしている。
球也は、後ろを向いてジッとしていた。
帝王プーロンはそう言うと、右手をゆっくりと左首筋に持っていった。
そして、人差し指と親指で、豆粒をつまむかのように、ペタロの顔を挟んだ。
ペタロの顔がグシャッとひしゃげる。
次の瞬間、ペタロの顔は、ニキビのように潰され、赤黒い汁が吹き出した。
だが、そのすぐ横に、純化の顔が浮かび上がった。
「ペタロ……どこ……」
だが、ペタロはもういない。
プーロンはかさぶたを剥がすように、潰れたペタロの顔を剥ぎ取ると、ポイッと遠くに投げ捨てた。
「ひ……酷い……」
純化はそれだけを言うと、床にひざをついて、うつぶせた。
「まったくだ、あれじゃ、吸収されたもう一人の純化が気の毒だ」とコウヤが言った。
恐怖と絶望と怒りが心を圧迫させる。
なにも出来ない自分達が、歯痒くてしょうがなかった。
「おおおおーーっ!! 見える、この世界がはっきり見える」
プーロンが天を仰ぎ、大きくそう叫んだ。
目が見えないうちになんとかしたかった。
だが、何一つできなかった。
共存を望む、幸せの心を1つ失っただけだ。
「どうする……下手すりゃ、俺達も終わりだ」
勇樹が悔しそうに言った。
コウヤはギッと、プーロンを見据える。
「なにも答えが出てこねぇ……力が備わっても、なにもできない……」
「私達が集まったのは、このまま死ぬのを待つため? なにか、少しでも出来ないの?」
莉子はソッと泣き崩れる純化の肩に手を添え、仲間一人一人に目を向けた。
輝はただ、呆然と立ち尽くしている。
球也は、後ろを向いてジッとしていた。
