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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

 プーロンは、闇の純化の顔に右手人差し指の爪を当てた。


 自らの最期を予期した闇の純化はこう叫んだ。


「純化ぁーっ!! 一緒に生きてきたことを感謝している。私の分まで生きろぉーっ!!」


 無惨にも、闇の純化の顔は、プーロンの爪によって、えぐり取られてしまった。


 純化は涙をグッと我慢し、体に力を入れながらこらえていた。


 自分と同じ体で、一緒に過ごしたとはいえ、相手は闇の者。ホッとしたのと同時に、中身は違えど分身の自分が殺害されたことに怒りがこみ上がる。


「純化さん、ペタロさんと闇の純化の仇を取ろうよ」


 球也は囁くように声をかけた。


 純化は球也の目を強く見つめ、無言で大きく頷いた。


 離れた所では、コウヤ、莉子、勇樹の三人が十一人もいる闇の神仏と 拳を交えながら闘っていた。


 その中でも、桃尻娘とあだ名がつく莉子の激しい闘いに目がいく。七不福神の一人、炎の神仏、火帝(ほてい)との殴りあいで、噴き出す炎にも恐れずに拳を叩き付ける。


「えっ!? 莉子さん、あんなにケンカが強いの?」


 球也は驚いた。


「うち、あの世界にいた時に聞いたんよ。娘、暴走族のレディースで総長やっとったんやて」と純化が言った。


「マジでぇっ!? むっちゃ、過去の隠されたメッキが剥がれてくるやんか。そりゃ、プロレスラーのコウヤさんもビビるわ」


<球也、のんびり言うてる場合ちゃうで。あれ見てみ>とソーヤは空を指差した。


 プーロンの発する黒い霧により、空は黒雲に包まれていたが、所々に白い光が射し込んできた。



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