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修練の鏡と精霊の大地

第20章 ラスボス

 その光の存在に気がついたプーロンは、急に落ち着かなくなった。


「な、なにっ!! この霧は太陽の光など、通さないはずだ!!」


 徐々に光は広くなり、やがて、黒い霧でできた雲に大きな穴が空いた。


「うおっ!! そうか……光か……光の者かぁーっ!!」


 白い光により、黒い雲と霧が薄くなってくる。


「おのれぇーっ、光の者がぁーっ!!」


 闇の純化が絶命したため、束縛することなく自由になった左手が、一瞬重く感じたのか、無意識にビルの角を叩き付けた。


『ガツッ!!』


「おうっ!!」


 痺れるような痛みに、思わず声を上げる。


 プーロンはよろけ出す。だが、2、3歩動き出した時……。


『ガキッ!!』


「っ!!」


 右足の小指を別の建物の角にぶつける。


 しゃがんで悶絶するプーロン。


「よっしゃっ!! 読みは当たったが、その分、特典満載やっ!!」と球也は喜んだ。


「ねえ、あれってなんなの?」


 なにが起こったかよくわからない純化に、球也は親指を立てて「Gu!!」とするだけ。


 すると、ソーヤはプーロンを指差して言った。


<闇の者は人間のネガティブなエネルギーがパワーの源の1つなんや。そうすると、人間に残されるのは、ポジティブなエネルギーとなる。だから、そのエネルギーが溜まってくると、力を出してくるのが……>


「あ、そっか……神様だっ!! 光の者だ!!」


 純化もわかったようだ。


「そうや。負の力を吸うのが闇の者なら、明の力を吸うのが、光。だから、むこうが力を貸してくれたんや」


「すごい! きゅう坊、よくそこまで予測して考えたねぇ」


「ソーヤのおかげや。相手を封じ込めるのは僕ら人間の力では無理な話やから、向こうの世界を知りつくしているソーヤに知恵を借りるしかなかってん」


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