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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

 しばらくすると、奥からバンタリンがに出てくる。


「これだったら食べれるでしょ」とバンタリンは、両手に1枚ずつ大きな皿を持ってきた。


「こっちは特製オイルドレッシングのサラダ、こっちはブチブチの唐揚げ」


 唐揚げのスパイシーな香りが鼻腔を刺激させ、食欲をあおる。


 緑と黄と赤の彩りが鮮やかな野菜サラダは、人間界では見ることの無い食材で、盛り付けられていた。


「この赤いのはなんや? ピーマン?」


 純化が指で示して、バンタリンに問いかける。


「これはスパイスのひとつ。あなたの世界にあるハバネロとか言う食べ物の、かなり前の御先祖になるわね」


「ハバネロ……」純化は固まった。


「辛さはししとう並みだから、食べても大丈夫よ」


 そう言われても、なかなかそれを狙う気にはならない。


「こっちのブチブチってなんですか?」と球也が尋ねる。


 こんがりと揚がった赤茶色の、鳥の胸肉のような揚げ物。


「ブチブチ知らない? それは人間の世界には無いのかしら? ブチブチはねぇ……」



 バンタリンが説明しようとしたその時だった。



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