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修練の鏡と精霊の大地

第3章 冒険の旅へ

 そうこう言ってるいると、なにやら外が騒がしいのに気がついた。


「なんだ?」とコウヤが、窓から外を確かめる。


「うわっ!!」


 窓から見える光景に、思わず身をすくめ、声を上げた。


 窓の下には、巨大なクモがワシャワシャと動き、街を荒らしていた。


 それも数は三匹。一匹の大きさはワゴン車並みのでかさだ。真っ黒で背中には白い斑模様が見える。


 長い脚で獲物である住民を次々にとらえて、頬張っている。


 どうやら、糸を出さないタイプのクモのようだ。


「まだ、結界が張れてねえのかよ!! クッソー、あんなの相手が悪すぎんだろ」


「コウヤ、やるしかないだろ」と莉子が言う。


 だが、球也がまだ食べている。


「とりあえず、球也は食べてから来い!! 俺達は準備して早く出よう!!」


 まだ食事中の球也を残し、三人は部屋に戻った。


「は、早く食べないと……」


 球也は急いで口に詰め込んだ。


 女性二人の部屋は、二階にある。


 それぞれ武器と防具を装着すると、一度外を見た。


「うわ〜、グロテスク……クモは気持ちわりぃ〜」


 莉子は拒絶反応を見せる。


「でっかいクモってあり得へんのやけど……携帯持って来たらよかったなぁ……」


 なんの写メを撮る気なのだろう。



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