
Perfect Romance
第1章 はじまりの唄
気のせいか?とキョロキョロする
「ヤバイ。可愛すぎる」
今度ははっきりと目の前の「相葉雅紀」から発せられた
「…は?」
何だよ、可愛いって
男に使う形容詞じゃねえぞ
「こら、雅紀!二宮くん困ってる」
「え、だって本当に可愛いんだもん」
大野さんが咎めてもお構い無し
くふくふと俺を見つめて笑うから
何か言ってやりたいけど、…返す言葉が見つからなかった
でも、不思議と不快な気持ちは湧いてこない
なんだろう
「相葉くん、うちの二宮そんなに可愛い?」
櫻井さんが悪戯っぽく俺の頭を撫でた
「へっ…ちょっ…櫻井さん?!」
慌てる俺の頭を今度はガシガシする
櫻井さん、全然違う。会社の顔と正反対
いや、もしかするとこっちが本当の櫻井さんなのか
「うん!可愛い!にの気に入っちゃったー」
にの?
それは俺の事?
「いいねぇ。にの、か」
仕事以外では俺もそう呼ぼうかな、と櫻井さんが微笑んだ
「なら俺もー」
大野さんまで乗ってくる
なんなんだ今日は
入社してわずか4日、…なのに一気に世界が変わったぞ?!
朝、大野さんに轢かれかけて
その大野さんが、鬼と言われる櫻井さんと友達で…
大野さんは取引先の担当者で
でもって俺を可愛いとのたまう相葉さんと出会って…
仕事と称して皆で飯食って笑ってる
何だか楽しくなってきた
これが相葉さんとの、出会いだった
