
Perfect Romance
第1章 はじまりの唄
櫻井さんに背を押され、促されるまま2人の前に座る
俺の前には初対面の人
サラサラの髪と人懐っこいような笑顔が印象的だった
「智の方が早かったね」
「んふふ。何かわくわくしちゃって」
この空気、本当仲が良いのが伝わってくる
「二宮くん、先ほどはどうもね」
大野さんが俺を見てにっこりした
「こちらこそ…」
「大ちゃーん!早く紹介してよー」
サラサラ髪の彼が大野さんを急かした
「あのなー、一応これも仕事。俺先輩なの、わかってる?」
「んじゃ、大ちゃん先輩!」
櫻井さんが呆気に取られてる。いや、俺もか
大野さんは
こいつは最初からこれ。けど何か憎めなくてさー…と
慣れた風だった
「こいつ、横浜からの異動で俺の部署にきたの」
「相葉雅紀でっす!よろしくー!」
相葉雅紀、と名乗った彼は、ほぼ強引に櫻井さんと俺の手を取り、ぶんぶんと振った
「雅紀…落ち着け」
苦笑いする大野さん
「櫻井翔です。智とは同級生で…」
「聞いてますよー。俺も翔ちゃんって呼んでいいですか?」
キラキラと目を輝かせて言う彼に
「あ…どうぞ」
櫻井さんは嫌とは言えなかったようだ
「で、彼が…」
気を取り直して、櫻井さんが俺を見る
「あ、二宮和也です。今年入社しました」
よろしくお願いします…と言おうとした時
「可愛い…」
男だらけの中に、似つかわしくない呟きが聞こえた
