
Perfect Romance
第10章 Happiness
「何か…聞いた事あるかも」
いつかは忘れたけど、何となく知ってる
「ニュースにもなったよ、全部撤去する時だったかな?」
ちらほらと付けてある南京錠を手に取った相葉さんが、何気なくそれに書かれている文字を読んで
「…こんなんで、本当に永遠にいられるなら最高だよね」
そう、小さく呟いた
敢えて聞こえないフリをして、俺はひたすら景色を眺めた
だって、何て言って良いか分からなかったから
「あ……」
キャーキャーと、小さな子が何人か上がってくるのが見えた
「降りよっか」
狭いとこに大人2人がいたら、子どももはしゃぎにくくなるかもしれない
俺は相葉さんの腕を、軽く引っ張って促した
階段の幅も広くないから、子ども達が皆上がったのを確かめてからゆっくりと降りていく
先に相葉さんが降りて、下から俺を見上げた
わざと両手を広げて「さあ!」なんて言うから
俺も思わず吹き出して
…その瞬間に階段の先端に突っ掛かった俺は
ふざけて手を広げた相葉さんの腕の中に、本当に
飛び込むはめになってしまった
