
Perfect Romance
第10章 Happiness
幸い、誰も上がって来てないから良かったけど
昼間っから何やってんだよ…
相葉さんといると、調子狂う
心臓の休まる暇がない
「ほら、見てみて」
まるで気にもしないかのような態度の相葉さんが金網越しに見える海を指差した
天気が良いから尚更なんだろうけど
太陽に反射してキラキラ光る海と、周りに広がる景色は
東京では絶対に味わえない素朴さがあって
どこか懐かしいような
だけど「現代」の雰囲気もそこかしこにあって
「なんか…いいね、こういう景色」
素直に言葉が口からこぼれ落ちた
「でしょ?
…随分昔に来たきりだから、ちょっと不安はあったけど
………来て良かった」
相葉さんが、嬉しそうに隣から同じ景色を目を細めて見つめている
「昔はね、ここに凄い数の南京錠があったんだ
よ」
「は?」
「デートスポットでさ、それに名前書いて
金網に掛けるのが流行ったんだよ」
「もしかして、離れませんように…って?」
そうそう!
…相葉さんが頷きながら笑っていた
