
Perfect Romance
第10章 Happiness
雲ひとつない空
地平線にゆっくりと沈んでいく太陽を、テトラポットに座って見つめている
明るかった空が少しずつ赤く染まって
波にキラキラ反射する、昼間とは違う海の色に目を奪われる
昼間見た上からの景色と、真っ直ぐに前に見える昼から夜に変わる景色
どちらもいっぺんに見られるって、贅沢だな
「綺麗だねぇ」
ポツリと呟いた俺に、相葉さんも「でしょ?」と呟く
「ありがと」
「え?」
「連れてきてくれて…ありがと」
こんな時間、忘れてたよ
「また来ようね」
相葉さんが目を細めて微笑む
段々と暗くなる中、自然に…
本当に自然に、どちらからともなく唇を合わせていた
だけど約束通り、それ以上の事は何もなく
車を返してからの、…東京へ向かう電車の中
寄り添うように二人して寝こけて
降りる駅に着く直前に目が覚めた
車じゃないから、駅で別れる
帰り道は方向が違うし、送ってもらう必要もない
「着いたらLINEするね」
「うん、またね」
