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Perfect Romance

第12章 我が儘でもいいから


パソコンを操作する手を止めた大ちゃんが、椅子ごと俺の方に向いた

「バカか?」

「は?」

「何で連絡しないの?」

「だって……」

俺も、打ち込む手を止めて、大ちゃんに向き直る

「お前、あれだけにのにの言っといて、本当に分かんないの?」

「え?」

大ちゃんが盛大に溜め息をついた

「…翔ちゃんには、言うなって言われてたけど

お前、マジでにの、お前から離れるぞ?」

「ちょ…っ何それ!」
思わずガタン、と椅子から立ち上がる
その音に周りがザワッとしたから、慌てて「すいません」と会釈して座り直した


「にのさ、かなり無理してるって」

「……」

「あいつが、素直に気持ちを言うと思う?

お前、にのの何を見てたの?」

…何も答えられなかった
自分ばかり我慢しなきゃいけないって思ってて

やたらあっさりとしてるにのを、そのまま受け止めてた

「あのさ、本当は余計な事だから、翔ちゃんが雅紀には言うなって言ったんだからな?」

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