
Perfect Romance
第14章 今日だけはライバル
「…何ですか、そのふざけた企画」
聞いた瞬間、俺はコーヒーをぶちまけそうになった
「知らねぇよ。…けど、入社した時に聞いてんだろ」
しれっと言う櫻井さんは、さすがに何年もいるから慣れたもんだ
そう言われれば、パンフレットにそんなような事が書いてあった気もしないでもないけど
…はっきり言ってそこまでじっくりなんて見ちゃいない
「…良い年した大人が運動会って……」
「でも案外楽しいぞ?翌日休みになるし」
「そういう問題ですか」
「入社したんだから、やるしかねぇだろが」
まさか社会人になってまで「運動会」なんかやるハメになるなんて誰が想像するんだよ
櫻井さんの話では、毎年懇意にしてる会社1社と(毎年変わるらしい)親睦を兼ねるそうで、
終わった後に仲良くなる人たちもいるらしい
中には結婚したカップルもいるとか……
「今年はいいぞ?二宮」
「何がですか……」
相手が櫻井さんだと言う事を忘れ、うんざりした声を出してしまった
「今年は智んとこだから」
……マジか
