
Perfect Romance
第14章 今日だけはライバル
「やだなぁ、ついでですよ、ついで」
「…ったく、こいつは」
なんて言って、カップを持って行ってくれるんだから
……と、言うか
あの、旅行から櫻井さんは俺に「仕事以外では」かなり優しくなったんだよね
それこそ、そんな話を聞いた相葉さんが焼きもち焼くくらいに
「ほら」
戻ってきた櫻井さんが、入れてくれたカップを差し出した
「ありがとうございまーす」
笑顔でそのカップを受けとる
「お前くらいだよ、俺をパシらせる奴」
そう言いながらも櫻井さんは楽しそうで
「いいじゃないですか、たまには」
俺も、今の関係には満足していた
「出る競技って決まってるんですか?」
「50メートルとリレーと借り物以外全員参加」
「ふぅん…」
「あ、お前は借り物競争だから」
「は?」
「今年の配役、俺だし」
またも意地悪そうに、櫻井さんが笑って見せた
「櫻井さんは?」
「俺は個人競技はない」
「ずるいーっ!!」
「悔しかったら後3年は待て」
櫻井さんが、ぺしっと俺のおでこを弾いた
