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Perfect Romance

第14章 今日だけはライバル


いくら慣れたとは言え、
あれに逆らう勇気はまだ俺にはない

こうなればもう、腹を括るしかない


もうすぐ着く、と言う頃に

「かず、勝負しない?」
相葉さんがふいに呟いた

「え?」

「勝った方が、負けた方を1日好きにできるって…どう?」

「何それ」

「面白そうじゃん」

「やだよ、くだらない」

「あ、そっかー…かず、勝つ自信ないもんね」

この相葉さんの挑発に乗った俺がバカだった
…負けず嫌いの俺の性格、使いやがって

「ふざけんなよ、やってやるよ」
「そうこなくちゃ!」

言ってしまった以上、負けられない

「勝ったら何してもいいから」
相葉さんが楽しそうに笑う

「…その言葉、忘れないでよ」
俺もちょっとムキになって返した



「「じゃあ、頑張ろうね」」
同時に二人の声が重なって目を見合わせて笑ってしまった


相葉さんのおかげなのか、車を降りる頃には
気分はそこまで沈んでいなかった

…もしかして、相葉さんわざと気を使ってくれたのかもしれない

俺、気付くの遅っ

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