
Perfect Romance
第14章 今日だけはライバル
確かに始まってしまえば、そこそこ楽しくなっていた
普段運動なんかしない大人ばかりだから、何もないのに転んだり、足がもつれたり
だから動ける人がやたらカッコ良く見えるし
笑えるとこもたくさんある
「え、櫻井さんじゃないんですか?」
二人三脚は、てっきり櫻井さんと組むと思ってた
だって皆、仕事でのパートナーとの組み合わせだったから
「人数調整でズレたんだよ…」
櫻井さんも、ちょっと残念そう…と言うか
物凄く心配そうに俺を見ている
「二宮…、ごめん」
「え?」
「…気をつけろよ」
櫻井さんの、耳打ち
組む事になったのは、顔しか知らないけど三課の人
ただ、怪我するなよって意味にしか捉えてなかったけど
櫻井さんの言ってた「気をつけろ」の意味はすぐに分かった
…と、言うか
思い知らされた
「…よろしくね」
やたら馴れ馴れしく、肩に触れてくる
足を結ぶ時も、やけに顔が近くて
吐く息が、頬に当たって気持ち悪いけど
相手は課が違うとは言え、先輩…
「可愛いね、二宮くん」
その瞬間、一気に吐き気が襲ってきた
