テキストサイズ

Perfect Romance

第17章 新たな決意



電車を降りて、暫くの間ベンチに座っていた

気付いたら俺以外、誰もいなくなったホーム


もう、ここには来ないつもりだったんだけどなぁ

なんて思った処で、既に来てるし
ー…1人心の中で突っ込んでみる

だってそうでもしないと、落ち着かない



すっかり様変わりした駅のホーム

生まれ故郷なのに、違う場所みたいで

わずかに残る面影が、むしろ居心地を悪くする



実家を離れて何年だったかな

自分の事なのに、他人事みたいな考えに思わず笑えてくる



別に両親と喧嘩をしたわけじゃない

だけど仲が良いかと言えばそれも違う

何て言うか…

血の繋がった親子なのに、何となくよそよそしくなったと言うか

家で安らぎがなかったんだ

自分の家なのに、息がつまる

…そう感じた自分が嫌で、高校を卒業すると同時に家を出た

敢えて大学を遠くにして、独り暮らしをする口実を作った


それを告げた時、母が初めて泣いた

『お母さんを見捨てるの?』
ー…そう言って、俺に縋りついた


ストーリーメニュー

TOPTOPへ