
Perfect Romance
第17章 新たな決意
「やっぱりいるんじゃないか」
やたら嬉しそうに笑う親父は “どんな娘だ?“ と興味津々で
どんな娘も何も
…俺より背が高くて、どこからどう見ても立派な男です
とは、さすがに言えなかった
適当に言葉を濁して逃げながら、ついでにタクシー代をどさくさ紛れにせびり取って
「…そっちが落ち着いたら、会わせるから!」
なんて、そんな気は更々ないけど言い置いて
俺は荷物を持って外に出た
タクシーは、ちょうど流しが傍にいたおかげで
電話したらすぐに来てくれたから
眠っている母さんには何も言わずに実家を後にした
タクシーに乗り込んですぐに相葉さんに電話を掛けて
電車で今から帰る事を伝えたら
「行くから待ってて!一人じゃ危ないでしょっ」
慌てたような相葉さんの声
「…子どもじゃないっつーの」
「待ってて!飛ばして行くからっ」
「どうやったって朝になるだろうが」
相葉さん、テンパってる
どう頑張っても5時間近くは掛かるってのに
「とにかくさ、帰るから…そのまま相葉さんち行くから
待っててよ」
