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Perfect Romance

第17章 新たな決意


「でもな、和也」

ふと、親父が俺に視線を移す

「…来月から、戻るから」

「え…」

「すぐにとはいかないだろうけど

母さんのお前への干渉を無くすようにする。だから…」

ー…許してやってくれないか?

「親父…」


こんな事を言われたら、俺にはYes以外何て言えるんだよ?

だけど今までの、母さんの行動をすぐに許すなんて出来る程、俺は人間出来てない

…こんな時、相葉さんなら何て答えるのかな

きっと、あの笑顔で「分かったよ」なんて許しちゃうんだろうな


さっき声を聞いたからなのか
今、こうやって気付いたら相葉さんの事を考えたからか

…無性に相葉さんの顔が見たくなった

そう思ったらいても立ってもいられなくて


「親父、俺帰る」

「え?」

「母さんの事は、親父にしかどうにもできないし

…俺も、まだ顔見てちゃんと話す自信ない」


「でも時間が…」
「今からタクシー呼べば、最終の特急乗れる」

今相葉さんに連絡すれば、まだ出てないから間に合う


「…彼女に会いたくなったのか?」

親父の、さっきみたいな悪戯顔

瞬間赤くなったのは分かったけど、理由も言わずに帰るのも…と思った俺は

「彼女じゃないけど、大事な人!」
つい、口にしてしまった




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