
Perfect Romance
第17章 新たな決意
まだ多い人波を抜けるように歩く相葉さん
するりとかわしながら行きたい方向へ進むのを、必死で後を追う俺
もちろん俺を気遣ってくれてるんだけど
人波を乱さないように歩きながら、なおかつ後ろを歩く俺に合わせるのもなかなか大変で
ちょっと出来た隙間で、相葉さんに走り寄った俺は
「…これならはぐれないでしょ」
恥ずかしいのを隠しながら
キュッと相葉さんのトレーナーの後ろを摘まんだ
一瞬驚きで目を見開いた相葉さんが、直後に溶けそうな笑顔を見せる
「掴まっててね」
ー…なんなら抱っこしてもいいけどね
なんて言われちゃって
「すんな、バカ!」
相葉さんなら本当にやりかねない
俺が軽く睨んでも、顔は笑顔のまま
「でもさ」
裾を掴んでる俺の手をぐっと引き寄せて
「手ぐらい、繋ご」
え?と思う間もなく、あっさりと指を絡められ
もう片方の手に持っていたバッグを持っていかれた
周りなんて気にする事なく、手を繋いだまま歩き出すから
俺はそれに付いていく事しか出来なくて
焦って周囲を見たら、皆急いでいて自分達の事なんて見もしてない
