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Perfect Romance

第22章 運命って信じる?


軽く10分は過ぎた頃、ようやくかずに動きが見えた

ふぅ、とゆっくり息を吐いて
…シャツを掴んでいた手をそっと離した


相当力が入ってたのか、かずの指先は白くなっていて

「指の感覚なくなった…」
なんて言って、手をブンブンと振ってみせるから


「そりゃそうでしょ」
振っていた手を取って、掌から指先まで揉んであげた

揉んでいるうちに、かずの表情もだいぶ落ち着きを取り戻していく

…多分、大きな息を吐いた時に気持ちは切り替えられたんだと思うけど

直接触れる手のぬくもりは、更に安心材料にはなってるはず


「ありがと…」
かずが少し照れたように笑う

「もう平気?」

「うん、…それより、ごめん

こんな遅いのに」

時計を見たらとっくに日付は変わってて、そろそろ2時を過ぎようとしていた

「…そんなの気にしないでいいから」

「でも会社…」

俺はかずの方が大事なんだって

「かず、明日…いや、今日は?」

「…休み取ってる」

「なら俺も休む」


ー…いくら落ち着いたとは言え、こんな状態のかずをほっとけるわけない


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