
Perfect Romance
第23章 Perfect Romance
俺の足音に気付いたのか、その人がゆっくりと顔を上げる
途端、彼は息を飲んで目を大きく見開いた
「かず……」
コンビニの袋が大きな音を立てて俺の手を離れた
ビニールから、缶が転がり落ちたけど
そんなのは気にならなかった
その姿を前にしたら
足の力も抜けてしまった
彼の横に膝を付いてしまって
動けなくなった
「かずだよね…?夢じゃ、ないよね…?」
まともに声も出せない
情けないくらいに掠れてしまう
「相葉、さん……っ」
聞きたかった声
会いたくてたまらなかった顔
震える手を、何とかその頬に伸ばしてみる
…夢じゃないと、確かめたかった
かずがいるって、確認したかった
「相葉さん……」
伸ばした手を、包み込むあったかいぬくもり
…柔らかい、俺より少し小さな手
「かず…っ」
気付いたら、俺はその体を強く抱き締めていた
